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質問箱「居合って、どんなもの?」 という人を対象に、このコーナーを設置しました。 つまり「居合をしてはいないが、興味がある」 という人、「居合 を始めて一年ほど」 の人を念頭に置いて書きました。 ここに記載した質問は、私の所属する居合の会に入会するときによく受けたものです。 「居合はやりたいけど、どんな事をやるんだろう。自分のイメージと違ってたら、嫌だなあ」と思っている方もいるでしょう。 その方にとっては、これらは当然の質問だと思います。 というわけで、ここに 「よくある質問」を記載してみました。 少しずつ 増やしていきます。 居合について、少しでも知ってもらえれば、嬉しく思います。 なお、ここに記載してあることは、私(店主)の独断と偏見に基づいています。 Q1、今まで、あまり運動した経験がないのですが、それでも居合 ができるでしょうか? A1、大丈夫 !! できます。 もともと、居合は一人でするものです。チームを組んで闘っ たり、相手と対戦するようなものではありません。チームを組 むスポーツの場合には、「他の仲間に迷惑をかけられない」との 気持ちから、つい無理をしがちになります。また、対戦相手が いる場合には、運動経験がない人は、「負けてばかり!」という、 「面白くない結果」になりがちです。 その点、居合は、今まで運動経験がなかった人でも、入りや すいと思います。居合は一人でするのですから、自分の能力に 応じて、じっくり稽古ができます。 ただ、「一人稽古が基本である」ため、「自己鍛錬の意識を相 当に高く持たねば、単なる”お遊び”になってしまう」おそれ があります。当然の事ながら、常にこのことを念頭に置いて、 稽古をしなければなりません。 私が属する会の中には、居合に出合う前には、「運動という 運動は、したことがない」という人もいます。それでも、他の 人と同じように稽古できています。また他のスポーツや格闘技 の経験者もいます。 一般的に、武道経験者は早く上達するようです。(「稽古慣れ」 しているため 体を動かすのが苦にならず、その結果、稽古量が 多くなり、上達が早くなるのかもしれません。「才能」の問題じ ゃないと思うのですが・・・) 要するに、全く運動経験がなくても、居合の稽古はできます。 居合の楽しみも、充分に味わえます。上達は多少遅れるかもし れませんが、自分のペースで着実に稽古を実行すれば、必ず上手 くなります。 Q2、居合をするときに、最初に揃えるものは? A2、居合道着、袴、居合刀、刀袋(居合刀を入れて携行するバッグ)、帯、足袋、ひざサポーター(流派による)、木刀が必要です。 最初の数回は、ジャージと木刀でもかまいませんが、上記のものは出来るだけ早く揃えた方がいいでしょう。 なお、参考までに、値段をあげておきます。 居合道着 4000円 〜 30000円 袴 5000円 〜 30000円 (道着、袴は一般の剣道着で問題ないと思いますが、 流派や、道場によって色などの指定の有る場合があ りますので、習おうと思う道場に確認してから購入 した方が良いでしょう。私の経験上は、安い物でも 十分使えますし、私の先生は、継ぎ接ぎのある稽古 着を使われています。要は大切に使えばどんな物で も長く使えます。) 居合刀 24000円 〜 200000円 ※もっと安い物もありますが、刀身の強度が低い物もありますので、あまり安物を買うよりは、ある程度のものを買った方がいいと思います。 (当店では、私が実際に抜いたり、振ったりして「大丈夫」と思った物のみ販売しております。その分種類は少ないですが) 刀袋 2500円 〜 28000円 (居合刀と木刀、或いはプラス真剣を入れるので、1振り用はあまり使い勝手が良くないです。) 帯 1500円 〜 10000円 (結び方が簡単な居合帯をされる方もいらっしゃいま すが、当店では私が普段和装の為、呉服関係の繋が りもあるので、角帯を他の武道具店様よりかなりお安 く提供できるので、日本文化の一つとしても角帯をお勧めしています。) 木刀 2000円 〜 150000円 ※初心者で、何万円もするような銘木の木刀を使う人 はまず居ませんし、不要です。実際稽古中に折れる事 だってありますから、赤樫か白樫の普及品で十分です。 最初に若干お金がかかりますが、以降はかかりません。その意味では、経済的です。 ただ、何年か後に真剣を購入するときには、多少お金がかかります。 せっせと貯金をしましょう。 Q3、上下関係や規律が厳しくはありませんか。 A3、私は自分の所属する団体や、同流派の他道場のことしか わかりませんが、それぞれのカラーが有り、一概には言えません。 私の所属する団体では、絶対服従的な雰囲気は全くありませんが、「先生の言う事は絶対」的な道場もあります。 ただ、私の学ぶ流派は、会長自身非常に温和な方で、各支部の新人にも気さくに声をかけてくださるので、全体的に温和な雰囲気の所が多いと思います。 また、年長者への礼等、社会人としての常識的なことは当然守らねばなりません。 ただ、 「安全」 に関しては、通常よりはるかに厳しく 規制しています。 私の所属する団体では、初段を取るまでは、通常の稽古で真剣を使うことは禁止されています。(昔はそんな規則は無かったのですが、私は、入門時に既に真剣を所持しており、我流ながら実家前で、30?程度に切り出した竹を机の上に置き、そのまま切断するような稽古を長くしていましたので、「危ない奴が入会した。」と私が初段を取った以降に、こんな規則が作られました) 練習中は、注意深い行動が必要です。ましてや、ふざけて日本刀を振り回すなど もってのほかです。また、周り(特に後方)に人がいないことを確認して、練習しなければなりません。 こういうルール(というより、常識)は会員全員に徹底しています。 先輩や高段者の言うことには、「絶対服従」という会も、あるとか ないとか 聞いたことがありますが、 「それは ちょっとねえ・・・」という気がします。ま、私ならそういう会は 遠慮しておきます。 いずれにしても、いきなり入門するのでは無く、1〜2回は見学し、全体の雰囲気を見て自分にあった所に入門されるところをお勧めします。 Q4、真剣を操作するのは、危険ではありませんか。 A4、作法をきちんと守り、気を引き締めて基本に忠実に操刀する限り、安全です。日本刀は非常によく切れます。「あっ、しまった」と思ったと きには、ざっくりと切っています。私は、その様に危険なものを 安全に扱う方法の一つとして、「作法」があると、考えています。 もう少し正確に言うと、「作法の役割の一つは、日本刀の持つ 危険性をコントロールすることだ」と、思っています。作法を 単 に形式的なものにすぎない と考えるのは間違いです。「刀を抜い たり、振ったりしているときだけが大事なのであって、それしか稽古しない」というのでは、いけません。常々、作法を守り、完全に自分の動きに同化してしまわねばならないでしょう。 少なくとも、指をとばしたり、膝を切ったりしたくないのなら、そうした方が良いでしょう。 では、作法さえ守っておけば絶対に安全なのかというと、そう ではありません。 基本ができていないにも拘わらず、高度な技をおこなったり、 また、実力以上に早く抜こうとしたりすると、やはり危険です。 基本に忠実に、そして実力をしっかりと固めながら練習するこ とが、安全につながります。 さらに、気を引き締めて練習することも、絶対に必要なことです。 真剣を扱い始めたときは、緊張しているので、基本どうり きちんと操刀しています。が、少し慣れてくると、「ああ、こんなものか」と思い始めます。その時が一番危ないのです。気が緩み、基本を外した動き方をし始めます。 たとえば、切っ先がきちんと鞘の中に入ったことを確認しないで、何となく感覚だけで納刀したりとか。何度もそういう納刀をしていると、ある時 ざっくり切ってしまうのです。抜刀の時でも同じです。抜けるようになってくると、充分抜刀しない内に鞘離れさせようとし、結局、鞘を割り、自分の手も切ってしまうのです。 要するに、「日本刀は危険なものだ」ということを、絶対に忘れてはいけません。だからこそ、作法を守り、気を引き締めて練習する必要があるのです。基本をしっかり練習しなければならないのです。そうする限りで、安全だといえます。 Q5、居合を始めて何年で、真剣を持てますか。 A5、技術的には、それほど長くは かかりません。 要は、真剣を扱っても危険でない程度に技量が達していればよいのです。私の所属団体の場合、試斬の時に はじめて真剣を手にするこ とが多いようです。 普通に稽古を続けてしていれば、大体、入会して2ヶ月から 3ヶ月で、斬っています。刀は 会が所有しているものです。初 めは、細い巻藁から練習します。先輩会員が「要領」などを丁 寧に教えてくれるので、すぐ斬れるようになります。 何回も練習して、 「どのように」斬れたかが気になりだしたら、あなたも、遠い 道のりを歩き始めたことになるのです。 ま、いろいろ書いたけれども、真剣を持とうとする場合、一番 問題になるのは、やっぱり、「サイフ」かも知れませんねぇ。 ちなみに、私の所属する団体では、初段になるまで、真剣での形稽古は禁止しています。但し、刃筋稽古の時は、真剣を所持している人は、自分の刀を使用しても良い事としています。 Q6、真剣を所有するのに、何か特殊な資格が必要ですか? A6、いいえ、特別な資格とかは必要ありません。 刀剣類は、あくまで、美術品として所持が許可されています。 よって、刀が一振り打たれる度に、その刀に各都道府県の教 育委員会から登録証が発行されます。 後は、車と同じようにその登録証の名義を変更していく形で 売買が行われます。 早い話、お金と印鑑を持って刀屋さんに行けばだれでも刀 剣類は購入できます。ただし、理由もなくその刀剣類を持ち歩 いたり、人のいるような場所で振り回したりする事は当然なが ら銃刀法の違反となり処罰の対象となります。 居合等で使用する場合も、刀用のバッグに入れるなどして、 刀であることを目立たないようにし、できれば、それぞれの所 属団体の会員証など、居合の稽古する目的で持ち歩いていると いうことが証明できるようにしておいた方が良いでしょう。 Q7、居合をすれば、健康になれますか? A7、健康になれる と思いますよ。退職してから始められた方は、肩こりがしなくなったとは、良く聞きますが。 現代人は運動不足だ と言われていますが、もし、あなたにも その傾向があるのなら、運動不足の点は解消されるでしょう。 合同稽古は週に一回だけですが、居合は、一人でもできます。 毎日 自分で練習すればいいのです。どのくらい練習するかも 自分で決められます。 すでに今までハードな運動をしてきている人にとっては、 最 初のうちは、少し物足りないかもしれません。動きがゆっくり してますから、息が切れるということもありませんし・・・。 しかし、連続で何回も形を繰り返すと、単に筋肉の疲労とは違 う、身体の奥からズシーンと来る疲れを感じると思います。 もちろん刀を振り回すのですから、このサイクルを何回も繰り返 すと、腕はパンパンに張ってきますけどね。 要するに、 居合は自分に合わせて練習できるので、その人なりの運動量に調整できます。 したがって、その点をきちん意識した練習をすれば、健康になれると思います。 また、居合の練習をすれば、「筋肉」的鍛錬とは別な何かも鍛錬されるようです。 Q8、居合は、実戦で役に立つでしょうか。 A8、「実戦」ですか・・・。 もし、本当の戦争での「白兵戦」や、「真っ暗闇で、いきなり出 てくる敵ゲリラ兵に対する戦い」を意味するのなら、私たちが練 習している流派の居合は、まさにその為のものとして作られてい るので、絶対に役に立ちます。 しかし、おそらく、そういう意味ではないのでしょう。 たぶん「ストリート ファイト」的なことをいっているのだと思 います。それならば、「直接には、役に立たない」と考えた方が いいでしょう。 もう少し詳しく言うと、居合が役に立つと言うことは、「いざ という場面で、日本刀を持っている」ということですね。確か に、その場面で、日本刀を持っていれば、相当強いでしょうね。 しかし、私たちは、普段日本刀を腰にさして、うろうろして いるわけではありませんよね。そういう意味で、「居合は、実戦 では役に立たない」といっているのです。「役に立つ場面が 極 めて少ない」という方が正確でしょうか。 あえて役に立つ場面を考えるなら、「家に刃物を持った泥棒が 忍び込んできた。枕元には、真剣がある」こういう場面ですね。 このときでも、本当に居合の技を使ったら、「過剰防衛」になりかねません。というのは、(どの流派でも同じでしょうが)居 合の技は、「必殺」のものであって、「相手を傷つけるだけ」と か、「相手を脅かすだけ」というものではないからです。 ただ、「直接には」役に立たないのであって、「間接的」には 実に役に立つ と思います。つまり、居合の練習の中で身につけ た、「真っ直ぐに振り下ろす技術」「手首のスナップ」「打撃の瞬 間における手の内(の締め方)」などなどは、そのまま「棒」を 扱うときに役に立ちます。(それに、棒は どこにでもあります からね) また、組太刀を練習していると、間合いの取り方も身につき ます。この点でも、居合は役に立つでしょう。 ところで、居合には 「できるだけ抜かない。抜かないで勝つ」 という根本発想があります。 その意味からすると、「その様な状況に入り込まない」というのが、一番「居合の実践」なのでしょうね。 要するに、 ストリートファイトの場合、 居合は「直接には役に立たない」が、「間接的には役に立つ」。 しかし、「その様な事態になるのを前もって避ける」方が も っとも居合の精神を実践している。 その意味で、私は、「居合は、実戦に役に立つ」と考えていま す。
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